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病気のお話し 001
ワンちゃんでも ネコちゃんでも病院で診ることの多い歯の病気のお話しです。
歯肉炎・歯周病
「最近どうもうちの子の口が臭い…」
そんなことを感じられている方も多いのではないでしょうか?
犬や猫は体質上虫歯にはなりにくい一方
で歯周病になっている確率は高く、4歳以上の小型犬や猫において約80%がかかっていると言われています。
ごはんを食べて付いてしまった歯垢を歯みがきをせず放置したままにすると、口の中の細菌やカルシウムと混ざって固い歯石になります。
歯石はもう歯みがきでは落とすことはできません。
それら細菌などによって引き起こされた歯ぐきの炎症を歯肉炎・歯周病と呼びます。
歯周病になると、以下のような症状が出てきます。
・歯ぐきが赤い
・口臭がする
・歯を支えている骨(歯槽骨)が溶かされて、歯がぐらぐらする/抜ける
・歯根の細菌感染が原因で頬や鼻が腫れる
・上記がさらにひどくなると歯根が化膿してしまい、頬や鼻の穴から血や膿が出る/鼻水やくしゃみが出る
もしもこれらの症状に心当たりがあるのであれば、すでに歯肉炎・歯周病にかかっている可能性があります。
歯周病は口だけの問題ではなく、原因細菌が血流を介して全身に悪影響を及ぼし、弁膜症、腎盂腎炎や肝炎などの多臓器不全を引き起こすこともあるのです。
”たかが歯”ではなく、命にかかわる状況に発展するまでに対処をする必要があります。
症状の重症度にもよりますが、以下のような治療が必要になってきます。
・歯石除去
・抜歯
・抗生剤の服用
当院では無麻酔/麻酔下での歯石除去や抜歯を行っております(普段では観察することのできない箇所までしっかりきれいにするために麻酔下での歯石除去を推奨しております)。
麻酔下での歯石除去では、歯科ユニットを用いて歯の表面を傷つけないように超音波スケーラーにて歯石を剥がし、以降歯石をできるだけ付きにくくするために表面をツルツルに研磨していきます。
麻酔下での処置は完全ご予約制になりますので、事前にスタッフまでご相談ください。